【救急】ショック状態とは??
名前だけ聞いたら何かびっくりした状態かな??
てなるかも知れません、
実は生命の危機が迫っている状態のことです。
今回はショック状態の分類と症状について書いていきます。
(`・ω・´)b
ショック状態てなに??
一言で簡単に言うと
今にも死にそうな状態です。
ほっとけば死にます。
(´;ω;`)
しかし、適切な通報、応急処置と搬送と治療、救命の鎖が繋がれば助かる見込みも高いのも事実です。
ショックの定義
【定義1】
主要な臓器(心臓、腎臓、肝臓、などなど)
への血液量が減少した為に臓器の
細胞エネルギー生産が阻害され正常な機能維持が出来なかった状態のこと。
(収縮期血圧90mmHg以下が目安)
もっと簡単に言うなら
↓
何らかの原因で血圧が低下!
新鮮な酸素を持った血液が体全体に行き渡らない!
(;’∀’)
酸素が重要な臓器に行かないから臓器の仕事が出来なくなる。
出来ないどころか細胞がどんどん死ん行く!
重要な細胞が死んだら次は???
かなり危機的状況なのが分かりますね!
【定義2】
ショックはABCDのCが原因で起きます。
ABCDとは
A=Airway、気道
B=Breath、呼吸
C=Circulation、循環
D=Dysfunction of CNS、意識
この循環の要素として
①血管内の血液量
血液足りてる??
②心機能
心臓ちゃんと動いてる??
③適切な血圧抵抗
血圧低くなってない??
④大血管の開通性
血管詰まってない??
以上のどれか一つでも異常が出ればショックになります。
症状
症状はショックの5Pと呼ばれます!
1、蒼白
2、呼吸不全
3、冷汗
4、虚脱
5、脈拍触知不可
ショックによっては特徴的な症状が出る場合がありあます。
ショックの重症化までの流れ
①自律神経の異常
・冷汗、頻脈など
②皮膚、筋肉への血流低下
・蒼白、虚脱
③主要臓器の機能低下
・腎不全
・消化器官の異常
④血圧低下
・脈拍触知不可
・意識障害
⑤CPA状態
僕が体験したのは幸いにも③まででした。
(´;ω;`)
次はショックの分類4つ紹介します!
①循環血液量減少性ショック
【原因】
血液や体液が減ることにより起こる。
【例】
・外出血や内出血(骨盤骨折や肋骨の損傷)により血液が減る。
・内因性疾患により血液が減る。
(吐血、下血、脱水、感染症)
・体液減少により汗などが減る。
(熱中症、髄膜炎、熱傷など)
【症状】
・ショックの5P
・口の渇き
②心原性ショック
【原因】
心臓の機能が低下したことによって起こる。
【例】
①心筋収縮機能の低下(心筋梗塞)
②弁不全(血液の逆流、通過障害)
③不整脈(徐脈、頻脈)
【症状】
・ショックの5P
・口の渇き
③心外閉塞性・拘束性ショック
・心外閉塞性ショック
心臓から肺に向かう血流が妨げられて起こる。
【例】
肺動脈に血栓が詰まる。
それにより心臓から肺に向かう血流が妨げられる。
(肺血栓塞栓症)
・拘束性ショック
心臓の拡張が拘束されて心拍出に障害が起こる。
心臓はドクドク動きたいけど動けない状態。
【例】
・心嚢に水や血液がたまっている。
(心タンポナーデ)
・肺が心臓を圧迫する。
(緊張性気胸)
【症状】
・ショックの5P
・外頸静脈の怒張
心臓の手前(静脈)が詰まってな血液が流れなくなりパンパンになるから怒張する。
④血液分布異常性ショック
【原因】
交感神経の障害や働きが打ち消され血管が広がり血液の分布に問題が起きる。
【例】
・神経原性ショック(頸椎損傷)
・アナフィラキシーショック
・敗血症ショック
応急処置
・気道確保、酸素投与、人口呼吸は最優先。
(身を持って体験したけどこれはマジ!!)
・外傷があれば止血する。
・頸椎損傷疑いは全脊柱固定
・アナフィラキシーショックはあればエピペン使用
・ショック体位で搬送する。
だだし心不全は起坐位
まとめ
簡単にショックについて書きました。
目の前の傷病者がどのショックなのか??
観察結果や既往歴などで判断していかなくてはなりません。
ここを重点的に詳しく等あればTwitter、よろすの坂の発信局まで連絡ください。
https://twitter.com/survival_labo
おまけ
俺は塩原祐樹21歳今年の4月から救助隊をしている。
今は12月なので拝命から8か月と色々なことがあったな~なんて受付で考えていた。
まさか今日が救助服を着る最後の日になるとは思わなかった…。
「おい!!塩原!!お前も体力測定やるぞ!!」
救助隊のA先輩が声を掛けてきた。
しかし今日は体調が絶不調、先輩の命令といえど断りたい。
「すみません!体調が優れないので今回は参加しなくてもいいですか?」
「そうなのか!了解!また今度にしよう!」
「ありがとうございます(;’∀’)」
なんか最近体調が悪いんだよな。
妙に疲れやすいし鼻血が出まくる。
そんなことを考えながら受付で電話番をしていると同期のT君が呼びにきた!
「D先輩達が体調不良で休むなんてありえない!呼んで来いだってさ!ダイジョブなの??」
「マジかよ!!」
どうやらさっきの話は他の救助隊の先輩方には通らなかったらしい。
ここまで来ると断ることが出来ない。
「わかった、残留(電話番)と交替してすぐ行くって伝えといて。」
残留と交替しアシックスの運動靴を履いて身に着けていたものはまとめてウエストポーチに入れる。
いつでも出動出来るようにだ。
ホントはやりたくない。
そう考えながら車庫に行くと先に同期と後輩が体力測定を行っていた。
「お前、救助隊なのに体力測定参加しないとかありえないから!!」
「すみません。」
アップしてこいと言われたので外周をランニングしストレッチを行う。
熱はないが頭が痛い。
「アップ完了しました!」
「そしたらBと合流して懸垂からだ!!」
「了解です!」
自分の順番が来たので懸垂を行う。
懸垂は18回出来れば満点だ。
「うん????」
上手く体が動かない。
いつもなら21回以上は出来るのに?
13回でダウンした。
先輩からも怪訝な目で見られる。
次は腹筋だ!!
「体力賞受賞者で救助隊なんだから他の奴には負けないよな??」
D先輩方にプレッシャーを掛けられる。
「がんばります」
そんなこと言われても…。
腹筋スタート!
全力でやると異変が起きた。
ビキッ!!!
両足の太ももの裏がつったのだ!!
それでも頑張り腹筋はなんとか回りより多くすることが出来た。
だがこんなこと起きたことがないぞ!
しかも吐き気がしてきた。
次は反復横跳び!
これも足がうまく動かない。
なんかヤバい気がする。
275m走(55mダッシュを往復する)
この時に事件が起きた。
ダッシュした瞬間に両足のくるぶしから太ももの付け根まで痙攣し勢いのまま前転してしまった。
歩いてなんとかゴールする。
最後は腕立て伏せだ!!
先に行っていたみんなは終わりA先輩と俺は残って腕立てをする。
体に力が入らず動かない。
26回しか出来なかった。
いつもなら100回はいけるのに。
ヤバい、意識が朦朧とする。
「A先輩すみません飲み物買ってきてくれませんか??」
普通先輩に飲み物買って来てなんてありえないのだがもはやそんなことを考えている余裕すらなかった。
車庫の前に倒れていたのでB先輩に足蹴を食らう。
「くたばるなら車庫でしろ!!」
「了解です…。」
なんとか立ち上がり車庫にあるベンチプレスに寝っ転がる。
吐き気がひどい体も熱いなんなんだ。
そんな状態から少し休むとなんとか体が動くようになった。
そして夕方ホースなどを取り込み夜の事務打ち合わせと淡々と業務は終わってく。
「塩原お前大丈夫か??なんかヤバそうだぞ!」
「なんかちょっとヤバいです!」
予防係で救急隊の先輩に症状を相談した。
「吐き気、頭痛、発汗、微熱、腰の痛みがあるんですがなんですかね??」
「お前尿管結石にでもなったか??叩いてやろう!」
そう言って先輩が腰を叩いてくれたが特に激痛は走らない。
中隊長が流石に不味いと感じたのか早めに寝ていいと言われた。
本当は帰らしたかったらしいが人員がギリギリ(俺一人いないだけでも運用できなくなる状態)だったので帰らす、救急車で近くの病院に搬送するは無理らしい。
自分自身そこまでではなく熱中症と筋肉痛くらいにしか思っていなかった。
その日は胃薬を飲んで早く寝た。
朝、トイレに駆け込み吐いてしまった。
幸いにも出動はなかったらしいが司令が鳴ったのを覚えていない。
どうやら深く寝てしまったようだ。
どうにも寒い!!ストーブに当たっても暖かくならない。
「塩原!!反対班の救助隊が来たらすぐに帰れ!!」
中隊長にそう言われる。
反対班の救助隊同期Iが早めに来てくれて無事に交替することができた。
その時言われたのは
「お前顔が真っ白で死人みたいだぞ(笑)」
「マジで死なないようにする!」
先輩方にあいさつが終わり先に帰る。
自宅まで帰る途中で車を運転しながら吐いてしまった。
これはヤバい!!死ぬかもしれん!!
速攻でかかりつけ医の病院へ駆け込む!
後からかかりつけ医から聞いた話だが
顔面は蒼白
冷や汗はだらだら
物凄く寒がっていた
そして立っていられない
これは!!と思って速攻血液検査を行ったらビンゴだったらしい。
「今から救急車が来るからそれに乗って病院行って!!重症!!」
「搬送って転院搬送ですか???」
流石に同じ広域の職員に搬送されるのはヤダ!!
断固拒否している間に救急車が着てストレッチャーに乗せられる。
「君が塩原君か~噂は聞いてるよ!大丈夫かい??」
「たぶんダイジョブです!」
救急課程修了したばかりで救急車とは乗り心地はどうだい?
そんな雑談をしながら搬送先の病院へ到着!
きれいな女医さんに救急隊が申し送りを行い救急隊は去っていった。
女医さんは俺の話を聞き「運動後急性腎不全」だろうと言っていた。
なんでも症例が少ないらしくなんとも言えないとも。
MRIを行い看護師さんに君ショック状態だよ!!
て言われたことで納得!!
まさにショックの5Pじゃん!!
そんな自問自答が解決したがだんだん意識が薄れてきているのが分かる。
「あヤバい、意識が飛びそう…。」
「待って!!尿カテーテル入れていい??」
女医さんがそう聞いてくる
「断固拒否します!!」
だって痛いって救急課程で習ったもん。
(´;ω;`)ウゥゥ
「OK!!」
そして意識を俺は失った。
今回参考にさせて頂いたサイト一覧
https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0823.html
https://doctorsfile.jp/medication/162/