【救急】内臓痛、体表痛、関連痛とは??
今回は質問箱でリクエストを頂いた
『内臓痛、体性(体表)痛、放散(関連)痛についてお願いします!!!』
について書いていきます!
リクエストありがとうございました!
おそらく関連痛について詳しく書くのがベストかなと思うのでそこを重点的にやっていきます~!
(`・ω・´)b
それぞれの言葉の意味は?
まずは用語の意味について簡単に!
(`・ω・´)b
詳しいことを知りたい方は参考にさせて頂いたURLを最後に張りますので参照下さい。
【体表痛、体性痛】
皮膚や粘膜など熱刺激・機械刺激・化学刺激などにより痛みを感じる。
・熱刺激
→熱いお湯(42~45度から人は熱さを痛みと感じる)
逆に冷いもの(15度以下から痛みとなる)
・機械刺激
→ナイフで手を切る、皮膚をつねる。
・化学刺激
→アルコール消毒液を触れるとスーとする。
【内臓痛】
内臓に由来する痛み。
【関連痛】
痛みとなる原因が生じた部位から離れた場所に感じる痛み。
例えば心筋梗塞の場合左肩が痛くなる。
それぞれの特徴を見ていきましょう!
体表痛、体性痛
皮膚や粘膜などに刺激が発生した際に起こる痛みです!
表面痛と深部痛に分かれます。
刺すような痛みが多いです。
【表面痛、表在痛】
・皮膚や粘膜の痛み。
・刺激によって痛みを感じ場合によっては外傷を負う。
(優しくつねっても痛みは感じるけど細胞は損傷しない!
しかしペンチで皮膚をつねられたら皮膚に傷がついたり内出血を負うよってこと。)
・ここが痛い!!と明確にわかる。
(限局性の痛み)
【深部痛】
・骨膜、靱帯、関節嚢、腱、筋膜、骨格筋の痛み。
・限局性の痛み
・うずくような痛みが多い。
・肩こりなどがあげられる。
擦り傷とか火傷とか凍傷とか体の表面の怪我や痛みは体表痛っていう認識でOK
(`・ω・´)ゞ
内臓痛
内臓痛は、内臓が感じる痛みです。
肝臓や腎臓、脳などは通常痛みを感じません。
(肝臓、腎臓は出血や腫れた場合は痛みを感じます。)
【特徴】
・痛みの部位が明確でなく締め付けられるような痛みが多い。
・特有な不快感がある。
(お腹が痛くなった時を思い出して!)
・うずくような痛みが多い!
・お腹や胸は弱い機械刺激(打診)によって容易に痛みが起こる場所がある。
・正常な管状器官(胃、腸、胆道、尿管など)は、切られても焼かれても痛みは生じない。
・管腔臓器(消化管、尿路、血管等)の急激な収縮が痛み刺激になる。
・関連痛が見られます。
関連痛
今感じている痛みの部位に原因はなく離れた場所の内臓や筋肉に痛みの原因があること。
(心筋梗塞で奥歯や肩が痛くなる。)
救急課程でも勉強をしたのが懐かしく感じます。
こちらは例を上げていきたいと思います!
基本的には内臓痛に分類されます。
(`・ω・´)b
【心筋梗塞】
・胸の中央、左胸部、左肩、首、下顎、みぞおちなど。
・胸痛、激しい痛みが20分以上続く。
【狭心症】
・奥歯や左腕、左肩、背中など。
・痛みの部位は明確でない場合もある。
【虫垂炎】
・上腹部痛、McBurney点(押すと痛いところ)
・右下腹部(体性痛に分類する)
【急性大動脈解離】
・胸、背中、腰など裂けた部分により異なり、裂けが一時的に治まると痛みは和らぐ。
・痛みが移動するは要注意!!
【十二指腸潰瘍、胃潰瘍】
・上腹部の痛み、左背部
【腰痛】
腰痛はいっぱいあるので症例だけ書きます。
・泌尿器系疾患
・消化器疾患
・膵炎、膵臓癌
まとめ
いかがだったでしょうか?
是非ご意見や感想をTwitterに頂けると幸いです。
(`・ω・´)ゞ
また小説の内容が記憶を辿って書いたのでミスがあるかもしれません。
指摘して頂けると嬉しいです!
直ぐに修正します!
関連痛は他にも種類がありますので是非調べて見てください!
少ない材料から症状を特定するための手がかりになります。
(`・ω・´)b
おまけ
これはとある消防学校の救急課程の話!
おれはP助22歳、救急課程を修了して救急隊員になる為に消防学校で勉強中だ!
今日は実戦形式の訓練がある!
メンバー5人中3人で救急隊を組み実践形式の訓練を行う。
救急を教えてくれる講師に挨拶も終わり訓練スタートだ!
「救急指令、家族からの通報、75歳、男性、トイレで左肩への痛みと腹痛を訴えている、既往歴に高血圧、糖尿病、心臓病あり、訓練開始!!」
講師から指令内容を口頭で言われ俺たちはその少ない情報から資材の選定を行う。
今回の小隊長はおれが行っている。
「既往歴に高血圧、心臓病という部分および左肩の痛みから心筋梗塞または狭心症を疑います。」
「隊員はAED、リザーバマスク、ターポリン担架(布のような丸められる担架)を準備!!」
「機関員はストレッチャーを搬送してきて下さい。」
「よし!!!」
それぞれ準備を行い現着となる。
「救急1からXYZ本部、救急1現着」
無線を講師におくり現場に駆け付ける。
「ご家族の方!状況を教えて下さい。」
まずは状況を把握するために家族に話を聞く。
その間に隊員はバイタル(バイタルサイン、血圧、脈、呼吸数など)を取る。
「おじいちゃんが!!急にお腹と肩が物凄く痛いと言ってトイレに行ったんです!!そしてら今は声を掛けても反応がないんですよ!!」
おいおいマジかよと内心焦る、人形で出たから嫌な予感はしてたんだよ。
到着まで15分の想定だからこの傷病者は少なくとも15分以上激痛を訴えていたことになる。
(´;ω;`)
そう話している内に隊員がバイタルを送ってきた。
頸動脈で脈は触知は出来なかったようだ。
俺は隊員とあらかじめ引いて置いたターポリン担架に愛護的に傷病者を移動させ気道確保と呼吸と脈を確認する。
隊員は同時進行でAEDパットを装着する。
うん???
脈触れてるな!
呼吸も講師はあると伝えた
CPAではないと判断!
リザーバー付きマスクで酸素を投与する。
その間に機関員が
G(原因):事故原因、経過
U(訴え):主訴、自覚症状
M(食事):最終食事時間
B(疾患):病歴、既往歴、内服薬
A(アレルギー):薬剤、食物
を家族から聴取してくれた!
その紙を渡せれて病院に連絡する。
選択したのは二次医療機関
CPAに移行する可能性を踏まえて搬送時間が短くて済む心臓外科の直近二次を選択した。
「75歳男性の心筋梗塞疑いの収容依頼です。
左肩の痛みと腹痛を訴えていました。
既往歴に高血圧と以前に心筋梗塞の手術をしたとのこと。
搬送に25分かかります受け入れ可能でしょうか?
」
「はーい連れてきてください!」
と講師が言う。
ここで今回の訓練は終了!
講師から講評を受ける。
「なんで心筋梗塞を疑った?」
既往歴と心筋梗塞は左肩、心窩部に痛みが走る可能性があること。
消化器系の出血も考えましたが左肩が気になりました。
現着して痛みが継続していたとの家族の訴えからより疑いが強くなりました。
と答えていく!
「なるほど!!、関連痛だね勉強してるな~(笑)」
脈はリモコンで出していたが隊員が触知出来なかっただけらしい。
あやうく焦ってCPRを実施してしまうところだった。
(;’∀’)
ここは消防学校!
相手は人形だが本番は人だ!!
現場で傷病者へ最善の行動をとる為に訓練に励む!!
みんな同じことを思って訓練に励むのであった!
参考URL
内臓痛、体性痛
http://plaza.umin.ac.jp/~beehappy/analgesia/pain-classification.html#somaticpain
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_bunrui.html
関連痛
http://plaza.umin.ac.jp/~beehappy/analgesia/pain-referred.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/32/2/32_130/_pdf/-char/en
刺激について
http://www.cymis.jp/bitext/S4-1.pdf
画像お借りしました
https://www.kokenmpc.co.jp/products/life_simulation_models/emergency_training/lm-073/index.html