【資機材】消防用ホース
お疲れ様です!
よろずです(`・ω・´)b
今回は消防用のホースについて解説していきます!
火災を消すためにはこれがなければ始まりません!!
消火の為に必ず必要になる消防ホースの仕様と特徴を覚えて行きましょう。
(`・ω・´)b
今回は帝国繊維株式会社の消防用ホース(通称:キンパイホース)を例に書いて行きます。
・消防用ホースとは?
消防用ホースとは?
平成二十五年総務省令第二十二号消防用ホースの技術上の規格を定める省令消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)
第二十一条の十六の三第一項の規定に基づき、消防用ホースの技術上の規格を定める省令(昭和四十三年自治省令第二十七号)の全部を改正する省令にて定められています。
基本的に消防で使われている資機材は消防法で定められているって事だけ頭に入れて置きましょう!
興味のある方はリンクを張っているので読んで見て下さい。
(`・ω・´)b
上記の省令を簡単にまとめると
↓
・自主表示対象機械器具等として製造されている。
・使用圧力1.6MPa(試験圧力3.2MPa)に耐えられる。
・軽量で耐久性に優れたものにすること。
となっています!
・ホースの呼び方は??
書類などでは、○○車両積載、消防用65mmホースなど
現場ではホースの太さによって65(ロクジュウゴ)とか50(ゴジュウ)とか呼んでいました!
二重巻きとか島田折りとか狭所巻きとホースの巻き方で呼ぶことも多かったです!
(現場の状況で太さは判断できるため省略していました。)
・スペック(仕様)
消防用ホースは耐久性と軽量性の相反する性質をクリアするものでなくてはなりません。
様々なメーカーがありますが一般的なスペックを見て行きましょう!
①ホースジャケット
ホースジャケットは縦糸と横糸を筒状に折り合わせて出来ています。
一般的な素材はナイロンなどの合成繊維ですが、
縦糸にアラミド繊維を用い耐熱性、耐摩耗性を向上させたものが主流になっています。
内側のライトニングは漏水の防止や摩擦の低減の為に設けられています。
主な素材はゴムや合成樹脂です!
②結合金具
結合金具は消防ホースの両端にメス・押す金具があり放水口、管そう(ガン)、消防用ホースの結合するものです。
金具の結合方式には大きく3種類あり、町野式(差込式)、ネジ式、ツイスト式があります。
主に使われているのは町野式です!
昔はホースが外れる可能性があることからネジ式が主流でしたが、町野式を採用した消防署が使ってみると結合も早く、意外と外れないことが実証され瞬く間に消防界に広まったと聞いています。
嘘か本当かは知りません(;’∀’)
町野式は結合金具が建物の角やホースカーの角、落下の衝撃などにより外れる可能性があるため結合の確認は必須です!
「1、2、3、結合よし!!!」
呼称を忘れずに(笑)
よろずがいた消防本部ではネジ式に関しては、梯子車の梯上放水用のホースで使われていました!
③ホースの重量
充水の有無/【重量】 | 65㎜ホース(20ⅿ) | 50㎜ホース(20ⅿ) |
---|---|---|
充水なし | 約8㎏ | 約7㎏ |
充水後 | 約75㎏(約67L) | 約47~45㎏(約40L) |
軽量タイプのホースの場合はもっと軽くなります。
一般的な値はこのくらいと覚えておきましょう!!
65㎜ホースを一人で動かすのが困難な重さだと切に感じる値です。
分岐をかまして50㎜戦術に落ち着く理由が分かる気がします。
④損失圧力
この表の前提条件
↓
流量:500L/min
圧力:40㎜ホース→2.0MPa
50㎜ホース→1.6MPa
65㎜ホース→1.6MPa
ノズルはスムースノズル(21㎜)を使用する。
ホース | 損失圧力(ホース一本当たり) |
---|---|
65㎜ホース | 約 0.031MPa |
50㎜ホース | 約0.077MPa |
40㎜ホース | 約0.19MPa~約0.35MPa(製品により違いあり) |
沢山の水を遠くに送りたい場合は損失の少ない65㎜ホースを使用するのがベストなのが分かります!
⑤充水した消防用ホースの曲がり限界
曲がり限界度とは、充水した消防ホースで弧を描き、折れ曲がる直前まで円を縮小させた際の直径を計測したものをいいます。
折り曲がった状態で通水をしたり、引きずりをすると漏水の原因になるので注意しましょう!
摩耗による劣化について詳しく知りたい方はこちらも参照ください
↓
東京消防庁:消火用ホースの摩耗損傷に関する検証
65㎜ホース(20ⅿ) | 50㎜ホース(20ⅿ) | |
---|---|---|
曲がり限界 | 約160㎝ | 約120㎝ |
⑥安全管理(現場と点検)
【V字の状態で使用しない】
V字の部分が局部的に摩耗し漏水の原因になるから。
また、圧力損失の原因ともなる。
【不用意な加圧操作は厳禁】
繊維の疲労による耐圧性能の劣化に繋がる。
【ノズル、コック操作に注意】
急激なコック操作を実施するとウォーターハンマーによる急激なホース内圧の上昇により漏水、破損の原因に繋がる。
【ホースブリッジを使用する】
車などが往来する道路でホースを延長する場合は必ずホースブリッジを使用する。
見た目は問題なくとも内部のライトニングの損傷により漏水の原因となることがある。
【結合金具の不意な離脱】
ホースカーやホースバックでの搬送中に落下の衝撃などで結合部が外れてしまうことがある。
搬送中に結合部はなるべく衝撃が入らないように落とすこと。
【結合部からの漏水】
結合部から漏水が確認できた場合はゴムパッキンの劣化を疑う。
ゴムパッキンは送水を受けることで結合部の密閉度を上げる為に切れ目が施されている。
この切れ目が内側に来るように取り付ける。
【耐圧検査】
火災で使用したあとはホースに劣化が見られる場合が多いので外観点検など十分に実施する。
消火活動中にホースの破損が見られた場合は識別番号をメモしておくとあとで点検が楽になります。
(`・ω・´)b
【薬品の付着は避けよう】
ホースの劣化の原因になるため
火災活動中に穴があいたら??
ホースバンドで圧迫しましょう!
ピンホールのような穴でも勢いよく水が噴出します。
上から覆いかぶせるのが難しい場合は、
穴付近にホースバンドを巻いた後にバンドを横にスライドさせて下さい!
個人で買わなくとも車両に積載されているはずです。
火災出動時には防火服に一つ付けて起きましょう!
・まとめ
今回は消防用ホースについて書きました!
ここで紹介したもの以外にも太さや性質が沢山あります。
流石にそこまで書くと長くなるので今回はここまでにしました!!
いずれは巻き方やCAFSなども書いて行こうと思っています。
(`・ω・´)b
よろしくお願い致します!
ご意見感想お待ちしています
↓
・参考図書
全国消防協会:消防機械器具論
全国消防協会:消防ポンプ
Jレスキュー:消防活動教本