【火災】防火衣の性能と汚染
お疲れ様です!
よろずです(`・ω・´)b
今回は火災で身を守る道具の一つ!
防火衣について書いて行きます。
(`・ω・´)ゞ
よろしくお願い致します!
・防火衣って??
防火衣は火災、救助、NBC(例外あり)災害に出動する際に隊員が着る服の事です。
・防火ヘルメット(しころ)
・防火衣
・防火手袋
・防火靴
・防火フード(署による)
・安全帯(署による)
で構成されています。
その名の通り隊員を火や薬剤から守る服です。
着装せず火災に立ち向かえば死にます。
そんな防火衣の特徴を見て行きましょう!
【防火衣の性能】
防火衣にはガイドラインが制定されています。
それを基準にして各社が防火衣を販売してますので場所によって多少性能が変わってきます。
今回はガイドラインの内容から性能を抜粋します。
試験内容 | ガイドライン |
・耐炎 防火衣の耐炎性を評価 | ・バナーに10秒当てられた時 ↓ ・着火、溶融、滴下のいずれもしないこと。 ・残炎時間の平均値は、2 秒以下であること。 ・残じんが炭化した範囲から損傷していない範囲に拡大しないこと。 |
・火炎ばく露 断熱性を評価 | 80kW/㎡±5%(約150℃) の熱量を加えた時に平均13秒までは受傷しない温度上昇である。 |
・放射熱ばく露 放射熱の断熱性を評価 | 40kW/㎡±5%(約75℃) の熱量を加えた時に平均18秒まで受傷しない温度上昇である。 |
・耐熱性 熱による防火衣の損傷を評価 (熱により防火衣の破損して受傷するリスクの検証) | ・180 +5/-0℃の熱風 循環炉内に入れ、5 分間放置 ↓ ・溶融、滴下、分離、発火のいずれもしないこと。 ・表地、襟裏については、炭化不可 ・収縮率は、5%以下であること。 ・複合生地の内、透湿防水層については、滴下、発火のないこと。 |
耐化学薬品性能 | 一番内側まで浸透しない。 |
防水性能 | 洗濯しても撥水、耐水性は30%減に留める。 |
とまあ小難しく書きましたが
凄く簡単にいうと
↓
・防火衣→燃えない、燃えてもすぐ消せる、放射熱を遮断する、動きやすい、熱が籠らない
・隊員 →火炎、化学物質などで受傷しない。
という事です!
(両方とも受傷原因から逃げ切る前提である。)
・防火衣と受傷
消防隊員用個人防火装備のあり方について(総務省消防庁)
を参考に書いて行きます!
(`・ω・´)b
良かったら上記のPDFも勉強になると思います!
【防火衣の受傷危険高い位置】
点線で囲んである部位が受傷危険度が高い場所です。
(;’∀’)
服のつなぎ目が熱が入りやす場所だという事がわかります。
あと実体験ですが防火手袋はガイドラインに沿っているものを購入しましょう!
防水機能が無いものもあるので注意が必要です!
火傷の危険性が高くなることや冬の時期の火災に手が冷たすぎて動かせなくなります。
(´;ω;`)
【防火衣の下に着るのは??】
防火衣の下に着るのは基本的に活動服です。
しかし米国消防ではヒートレス対策としいます?
(ごめん上記は根拠見つけられなかった)
日本の防火衣での検証がされているので見て見ましょう!
【引用】
サーマルマネキンシステム(ISO 13506)を活用し、
①完全着装した場合
②下着、活動服ズボンの上に防火服を着装した場合
③下着、活動服ズボンの上に積層構造のインナーを取り外した防火服を着装した場合に
おいて、80kW/㎡の熱量が与えられるように調整した火炎を 8 秒間ばく露し、その後 112 秒間放置し、経過観察したときの熱傷の違いを示したものである。
明らかに、完全着装をすることにより防火服における機能が十分に発揮され、より受傷度が軽いことがわかる。
結論完全武装をすれば火傷による受傷危険は下がります。
ヒートレス対策としては保冷剤を各車両に積むことや凍らせた経口補水液を何本か乗せることが有用だと考えられます!
熱量と温度の関係性は下記を参考にして下さい!
フラッシュオーバーは発生時、床上温度は200℃を超えます。
・煙の有害性
防火衣の汚染を話す前に火災で発生する物質の有害性について話します。
【発生する有害物質】
・揮発性有機化合物(VOC)
↓
・トルエン
・ナフタレン
・ベンゼン
(どれも発がん物質)
参考:地方自治体の構造火災における煙中の揮発性有機化合物の特性化
・ポリ芳香族炭化水素
・多環芳香族炭化水素
(PHA)
↓
有機物質の不完全燃焼で発生する。
(変異性、発がん性物質)
参考:PAH CALUXバイオアッセイを使用した消防士曝露の毒性の評価
・ホルムアルデヒド
有機化合物の一種でかなり毒性が強い。
↓
吸入、摂取または皮膚接触による暴露後には、ホルムアルデヒドによる健康への悪影響が発生する可能性がある
重度の呼吸器症状で発生する可能性があり。
参考:癌を引き起こす化合物と汚染物質
その他にも一酸化炭素、窒素化合物などなど有害なものは上げたらきりがありません!
【つまりどういうこと??】
昭和の時代は木造建築物でした。
しかし令和になった現代は有機化合物を使ったものや難燃性の物が使われるようになり比べ物にならないくらい有毒性が上がっています。
これは火災が最盛期の状況もそうですが残火処理をしている時も先ほど上げた有害物質は発生しています。
正直よろずが現役の頃にこの有毒物質について対策を行った覚えはありません。
(;’∀’)
最近では防火衣を洗浄する専用の洗濯機などを導入する本部も増えてきました。
あっこういう事書くと私は家で洗ってます!!
って人も出るかもしれませんがお勧めしません!!
さっきの有毒物質が染みついた服を自家用車や家に持ち込むことは自分以外の他の人を暴露させる危険性が出てきます。
これは消防士、消防団関係ありません。
神経質になりすぎるのは良くありませんが少しでも元気で健康に活動するためにも気は使うべきです!
(`・ω・´)b
【現場で暴露を減らすには??】
・空気呼吸器を付けない場所では防塵防毒マスクを付ける。
・署に入る前に防火衣は水で洗い流す。
・煙を吸うような場所では積極的に呼吸器を使う。
まとめ
自分自身の文章は少ないですが伝えたいことは書けたと思っています。
良ければ参考にした資料なども見て頂けると幸いです!
防塵防毒マスクは3000円くらいで買えます!
個人装備として消防隊員、消防団員の方は一つ持っていても良いと思います。
・参考資料
・消防隊員用個人防火装備のあり方について
・第13回 消防防災研究講演会資料
・消防用防火服の耐熱性の評価に関する研究所
・消防用防火服の快適性能、機能性能の評価に関する研究報告書
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